2019.09.24

夏季シンポジウム2019 参加報告書 高橋厚弥(中部大学)

中部大学
高橋厚弥
学会から旅費支援をいただき、9/2-9/4 に日光の日本両棲類研究所で行われた夏季シンポジウムに参加してきました。遠方から参加する身としては非常にありがたく、厚く御礼申しあげます。

元来、こういった「少数精鋭」の催しには尻込みしてしまう性格なのですが、オーガナイザーの先生が以前ポスター発表を聞きに来てくださったという一点のみを頼りに、周囲の先生の勧めもあって思い切って参加することにしました。特に、今年のシンポジウムでは、発表を若手のみに限った上で、発表25分、質疑応答20分という非常にタフな設定がされており、心理的なハードルは高いものでありましたが、参加して本当に良かったと思います。特に、同じ分野に取り組む幅広い年代の方々とお話しすることができ、人の繋がりを持つことができたことは大きな収穫でした。

1日目と2日目に行われた研究発表では、参加した方々の研究内容や研究材料も様々でしたが、どの発表者も質疑応答の時間が足らなくなるぐらい活発な議論が行われ、大いに刺激を受けることができました。かくいう自分は、自らの不勉強と拙さを痛感するばかりでしたが、普段の研究室とは異なる視点から忌憚のないご意見やご質問をいただき、今後の研究を考える上で非常に濃密な時間を過ごすことができました。山椒魚もまだ小さいうちに、たまには岩屋から外に出て、自らの大きさを理解することが必要であったわけです。少しでも意欲のある方は、まだ「若手」のうちにこういう機会を積極的に利用することをおすすめしたいと思います。

また、2日目の討論会では、白紙に書き込みながら15分ごとに3回メンバーを変えるという意欲的な形式もあり、発生生物学の将来から研究テーマの選び方、はては人生相談まで活発なディスカッションが行われました。最終的には「自分の面白いと思うことを研究すべし」という結論に至ったわけですが、そのことは3日目のサンショウウオ保全施設の視察で、パネリストの先生方自ら、先陣を切ってクロサンショウウオ採集に熱中しているのをみて、改めて強く感じたわけであります。

最後になりましたが、本シンポジウムをオーガナイズしてくださった守野先生、入江先生をはじめ、お忙しい中参加してくださったパネリストの先生方、事務局の桃津さん、日本両棲類研究所の皆さまに心よりお礼申し上げます。特に、会場になった日本両棲類研究所は、プライベートの研究所であるにも関わらず、このシンポジウムのために新たに周囲の道を切り開いていただいたなど、多大なるご支援をいただいたとお聞きしました。この4月に40年ぶりに再オープンしたばかりの研究所は、中禅寺湖の湖畔にたたずむ赤い三角屋根が目印です。日光の近くまでお寄りの際は、ぜひ巨大なチュウゴクオオサンショウウオやアカハライモリたちに会いにいっていただければと思います。