○日吉 真照1 中條 信成2 佐方 功幸2 高宗 和史1
熊大・院・自然科学1，九州大・院理・生物2
アフリカツメガエル（Xenopus laevis）の精巣cDNAライブラリーから選別したXenopus tudor repeat（Xtr）遺伝子は、雌雄生殖細胞と初期胚で特異的に発現する新規の遺伝子である。 Xtrタンパク質は、N末端側にtudor domainと、C末端側にこのタンパク質に特有の繰り返し配列が存在するという特徴をもっている。我々は、顕微 注入が容易な卵母細胞と初期胚におけるXtrタンパク質の機能を明らかにすることを目的に、中和抗体による Xtrタンパク質の機能阻害実験を行ってきた。その結果、Xtrタンパク質は卵母細胞の減数分裂と卵割の制御に 関わることを示唆してきた。今回、Xtrタンパク質の機能を予測するため、初期胚におけるXtrタンパク質の局在 について調べたところ、卵割期細胞において分裂中期の染色体に局在すること、及び間期では核膜付近に点 在することが明らかになった。この結果からも、卵割期の分裂制御に関わっていることが強く示唆された。更に 、興味深いことに、Xtrタンパク質は生殖質にも局在していることが明らかになり、生殖細胞分化に深く関わっ ていることが示唆された。 現在、卵成熟過程でのXtrタンパク質の局在、及びXtrタンパク質の機能阻害を行った時のH1 kinase活性について調べているので、その結果も合わせて報告する。
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