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マウスの始原生殖細胞を起源とする精巣性テラトーマ形成に関わる新規原因遺伝子


野口 基子  池田 よし江  久保 生恵  藤田 菜都美  菅沼 さえり

静大・理・生地環


マウスの始原生殖細胞(PGC)は, 胎仔の精細管内で初期胚様細胞へ転換し, 分化多能性精巣性テラトーマ(STT)へ分化することがある.最近, KOマウスやコンソミックマウスを用いてSTTの原因遺伝子が報告された.我々は, 実験的精巣性テラトーマ(ETT)を用いて, 新規の候補遺伝子を染色体にマッピングしたので報告する. マウスの129/Sv-+/ter(+/+)系(以後129系)のテラトーマ発症率は1% 程度であるが, 同系の胎齢12.5日胎仔精巣の精巣内移植体の約90%にはETTが形成される.他方, LTXBJ系にはSTTもETTも形成されない.この系統差は胎仔精巣体細胞に因ることを再構成精巣にETTを出現 させて証明した.これはPGCのテラトーマ形成が多因子発現によるものであることを示唆した. そこで, 129系とLTXBJ系間のF2胎仔精巣の移植体におけるETTの有無とこれらの系統のもつマイクロサテライトDNA マップマーカーの系統多型(SSLP)の間で連鎖解析を行った. その結果, ETT形成個体では129系にETT形成の無い個体ではLTXBJ系に強く連鎖する遺伝子座が18番染色体に存在す ることが判明した.またこれは, 同じく18番に存在し129/Sv- +/ter系のter/ter雄の96%にSTTを引き起こすter遺伝子座とは異なるものであった .そこで, この新規候補遺伝子をett-1(experimental testicular teratoma- 1)と命名した.その他の関連遺伝子も併せて報告する.


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