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メダカFoxAタイプ遺伝子のゲノム構造の比較


岡本 裕之  名古屋 博之  荒木 和男

(独)水研センター・養殖研究所・育種


Fox遺伝子ファミリーは、真核生物で5番目に大きい転写調節遺伝子群である。この遺伝子ファミリ ーは、初期胚において様々な組織・器官の形成に関与することが知られている。現在、脊椎動物ではAからQ まで17のタイプに分けられ、さらにサブタイプとして43種類に分類されている。ヒトゲノムの情報およびフグ ゲノムの解析から、Fox遺伝子はゲノム上におよそ50程度の遺伝子座があると推定される。今回メダカのFox A2、A3、新規Aタイプ遺伝子Axとの間でゲノム構造の比較をおこなった。メダカHNI系より作成したファージゲノ ムライブラリーから陽性クローンを選抜し、その塩基配列を全長約10kbにわたりシークエンスを行った結果、A 2, A3, Axの転写産物はすべて2つのエクソンと1つのイントロンから構成されており、マウス、ドワーフグーラミーのF oxA2およびフグゲノム情報から演繹したゲノム構造と類似の構造を示した。メダカのA2、A3、Axのイントロン の長さはそれぞれ455、804、981塩基であった。フグゲノムデータベースを用いた予想遺伝子検索によりver1.0 およびver.2.0からは、メダカのA2、A3、Axそれぞれに相当するscaffoldを確認したが、ver.3.0からはAxに相当 するscaffoldを確認できなかった。さらに他生物のゲノム情報との比較から、FoxAタイプ遺伝子の分子進化に ついて考察を行う。


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