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トランスジェニック・アカハライモリ(ooちゃん、赤いイモリと緑のイモリ)


上田(池上) 陽子  水野 伸彦  近藤 寿人

ERATO近藤誘導分化プロジェクト


私たちは、アカハライモリを用いて再生研究を行っていく上で、これからは個体レベルでの遺伝子 操作を用いた解析が必要になってくると考え、今回、トランスジェニック・アカハライモリ(T.G. アカハライモリ)の作成を試みた。 方法としては、アフリカツメガエルで用いられている精子核移植によるトランスジェニックカエル作成方法を参 考とし、いくつかの変更を行った。 改変した方法を用いて、まず、レポーター遺伝子としてEGFPもしくは dsRED2をCMVプロモーターの下流に繋ぎ、全身でレポーター遺伝子を発現させることを試みた。精子核を移 植した卵のうち、2%から4%が正常発生した。正常発生した胚のうち、50%から80%は全身でレポーター遺伝子 を発現した。 次に、T.G. アカハライモリで、組織特異的に目的とする遺伝子を発現させることが出来るかどうかを検討するために、アカ ハライモリ・βB1クリスタリンプロモーターの下流に、レポーター遺伝子としてEGFPを繋いだT.G. アカハライモリ(βB1-EGFP・T.G. アカハライモリ)を作成した。このT.G. アカハライモリでは、EGFPはレンズのみで発現した。 更に、再生レンズにおいてもEGFPがレンズで発現するかどうかを検討した。βB1-EGFP・T.G. アカハライモリよりレンズを摘出したところ、再生してきたレンズにおいてもEGFPは発現した。 今回の結果より、私たちはアカハライモリに個体レベルで外来遺伝子を導入する技術を確立できたと考えてい る。 これらの遺伝子導入した個体を繁殖させ、将来的には希望者に供給できる体制を整えていく予定である。


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