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カタユウレイボヤCi-macho1下流遺伝子の同定


八木 香澄  佐藤 ゆたか  佐藤 矩行

京大・院理・動物


ホヤの発生に伴って幼生尾部の左右両側に単核で横紋を持った筋肉細胞(ユウレイボヤでは36 個) が分化し、これらの筋肉細胞の系譜は完全に記載されている。現在までに様々な筋肉関連遺伝子の発現機構 が解析されており、特に近年マボヤを用いた研究で母性mRNAとして卵に存在するmacho- 1が筋肉細胞の分化決定因子として機能することが示されたことから、ホヤの筋肉分化系は卵内の決定因 子から特異的遺伝子の発現に至る分化の全課程を分子の言葉で説明できる可能性がうまれている。我々はゲ ノムやESTなどの情報が豊富に蓄積されてきているカタユウレイボヤから相同遺伝子(Ci- macho1)を単離し、その下流因子の単離・発現調節機構・機能解析を含めて解析している。
Ci- macho1過剰発現胚および特異的モルフォリノオリゴ注入による機能阻害胚からRNAを抽出してサブトラク ションを行い、約14000遺伝子由来のcDNAマクロアレイとリアルタイムPCRを用いてCi- macho1の下流で発現を制御される遺伝子を同定した。
一方、macho1および別の研究から筋肉 分化に関与することが示されたzicLの産物タンパク質が結合する塩基配列をSELEX法とゲルシフトアッ セイによって決定し、さらに塩基対を変化させることによって結合に重要な塩基対を特定した。macho1zicLはどちらも5つのzinc fingerモチーフを有するよく似たZICクラスの転写因子をコードしているが、両者の認識配列は異なっていた。本 ポスターでは両遺伝子のタンパク質産物が強く結合する配列のゲノム上の存在を探索した結果もあわせて発 表する。


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