[SD2-6]

メダカヒレ再生


工藤 明  加藤木 礼  長屋 雅人  坂本 大悟  猪早 敬二  今井 義幸

東工大・院生命理工


メダカを始めとした硬骨魚類のヒレは高い再生能力を持ち、メダカ尾ヒレは切断後2週間で再生を完了する。メダカにおいて一対の胸ヒレは受精後2日後に形成を開始し、背ヒレ、尾ヒレ、臀ヒレは、受精4日後に形成する膜ヒレから発生し、孵化後にそれぞれのヒレに分かれる。いずれのヒレも再生し、切断後、切断面を傷上皮が覆い、その後に未分化幹細胞の集団である再生芽が形成し、その伸張、分化が起こり、鰭条(fin ray)の繰り返し構造を持つヒレが形成する。我々はこの再生現象を分子レベルで網羅的に理解するために、再生芽の形成が盛んな再生3日目の尾ヒレRNA, また骨、血管、神経などの器官形成が盛んな再生10日目の尾ヒレRNAより各cDNAライブラリーを作成し、遺伝研の協力でそれぞれ10000個のシークエンスを行った。その結果5749種類のメダカESTシークエンスが明らかになり、ゲノムマッピングの有力な材料となる。また現在、特定のクローンについての発現パターンをRNA in-situにより解析中であり、クローン13c18は、ヒレ切断後2日目より発現を開始し、再生芽に特異的発現を示すことが明らかになった。13c18はさらに再生の進行に伴い伸張ヒレの先端の未分化な再生芽領域に継続的に発現を示すものの、未切断ヒレには発現は見られない。またこの発現パターンは再生芽形成に関与すると考えられるfgfr1に一致し、13c18は再生芽形成に重要な機能を持つと考えられる。 またメダカをモデル生物として使う利点は突然変異体が得られることにある。ENU処理によって得られたpllミュータントは胸ヒレ欠損と肋骨に異常が見られる。胸ヒレはその原基が上皮ム間葉の相互作用によって伸張し、形成するが、このミュータントは胸ヒレ原基は存在するが、その伸張がみられないという特徴を持つ。胸ヒレは四足動物の前脚に相当する器官であるが、前脚形成のマスター遺伝子であるtbx5を調べたところ、変異は検出されないため、その原因遺伝子は新規遺伝子の可能性がある。現在特定の染色体にマップされBACライブラリーを用いてポジショナルクローニングを行っている。


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