[PD1-051]

Drosophila卵母細胞内においてRNA結合蛋白質Hrp48はoskar mRNAの局在と翻訳の双方を制御する


矢野 環1  倉田 祥一朗1  Anne Ephrussi2

東北大・薬1,EMBL-Heidelberg2


様々な動物種において、卵細胞質の特定領域に局在する母性RNAが初期発生に重要であることが知られている。これらの母性RNAは、翻訳が抑制された状態で移動し、局在した場所でのみ翻訳され機能する。局在と翻訳が共役して制御されることが、発生において重要である。
Oskar (osk)はDrosophila において腹部形成と生殖細胞形成に必須な遺伝子であり、母性RNAの形で卵の後極に局在し、そこで翻訳される。正常な前後軸形成には、osk mRNAの卵母細胞後極への局在と、それにリンクした翻訳制御が必須である。近年、osk mRNA 3'非翻訳領域内に翻訳抑制に必須な領域と、そこに結合する翻訳抑制因子Brunoが同定され、osk mRNA翻訳調節機構の一端が明らかにされつつあるが、翻訳の局在依存性の機構は依然として不明である。我々はこれまでに、A/B type hnRNPであるHrp48がosk mRNAの翻訳抑制領域に結合し、翻訳をBrunoと協調的に抑制することを証明した。
osk mRNAの後極への局在は微少管に依存している。hrp48変異体を用いた解析を行ったところ、Hrp48は微少管の卵母細胞内での再構成に働くことによって、間接的にosk mRNAの局在に関与していた。ところが、さらに詳細な解析により、Hrp48がosk mRNAの微少管プラス末端との複合体形成に必要であり、直接osk mRNA局在に働くことが示唆された。このように、Hrp48はosk mRNAの翻訳抑制と局在の双方に必須であり、局在依存的な翻訳調節の鍵となる分子であると考えられる。
A/B type hnRNPは生物種を越えて保存され、多様な分子機能が示されている。Hrp48がosk mRNAに対して、局在と翻訳抑制という二つの機能を使い分け、かつ互いにリンクさせる分子機構について検討中である。


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