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ゼブラフィッシュを用いた体節分化におけるPeriostin遺伝子の解析


工藤 久智1, 荒木 和男2, 竹下 淳1, 猪早 敬二1, 工藤 明1

東工大・生命理工1, 水産庁・養殖研2



 すべての脊椎動物において体節形成は重要なパターン形成過程であり、筋肉、脊椎骨などの体軸支持器官は体節に由来する。マウスPeriostinは骨膜および歯根膜中に特異的に分泌されているファシクリンI関連蛋白であるがその機能は未だ明らかでない。そこで我々は胚操作 の容易なゼブラフィッシュを用いPeriostin遺伝子の機能解析を目的として研究を行なっている。我々は前大会で、Periostinのゼブラフィッシュホモログを単離し、遺伝子の発現が中胚葉系の組織に見られることを報告した。
 今回我々は胚発生過程における詳細な発現解析を 試みた。5〜6体節期から分節後の体節前半部に発現が始まり、その結果として分節的なパターンが見られた。またその発現部位は体節の分化に伴って体節境界部および体節−上皮(中胚葉−外胚葉)境界に移行することを確認した。さらにゼブラフィッシュ体節形成変異体(fuse d somite : fss)におけるPeriostinの発現を調べた。fssは体節の境界を欠失した表現型を示す。fssにおいて、正常胚の5〜6体節相当の時期にはPeriostinの発現を確認出来なかったが、体節形成後期の体節−上皮境界における発現は正常であることが分かった。一方、 ゼブラフィッシュの尾ビレは切断後約2週間で再生するが、この再生尾ビレの上皮−再生芽境界と再生芽先端付近の間充織においてもPeriostinの発現が確認された。
 ヒレ再生時の発現誘導と体節分化過程における発現、どちらの場合でも上皮性の組織と成長途中の間葉系/ 中胚葉性の組織間に発現する特徴を持ち、ゼブラフィッシュPeriostinは境界の形成に共通の機構で機能を果たしていると推測される。


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