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パイエル板形成誘導細胞の発生・分化とその移植によるパイエル板再生について


吉田 尚弘, 端 裕之, 本田 賢也, 西川 伸一

京大院医・分子遺伝


[序] これまでの解析により、マウスパイエル板(PP)原基形成はIL-7Rαのリガンドによって腸管局所でlineage(lin)- IL-7Rα+細胞が刺激され、これがLTαβを発現することによって誘導されることが分かった。(Yoshida et al., 1999, Int. Immunol. 11, 643)このことから、PP誘導を期待して腸管IL-7Rα+細胞を発生過程のIL-7RαKOマウス胎仔に移植したが、パイエル板再生は誘導できなかった(結果未報告)。そこでこの細胞を移植に適した状態に誘導して、或いはその前駆細胞を利用することを目的に、以下の実験を行った。
[方法及び結果] 腸管lin-CD4+/- IL-7Rα+細胞からは、リンパ球は分化してこなかったが、NK細胞と樹状細胞に分化した。腸管IL-7Rα+細胞はIL-7+SCFの組み合わせでlin - のままin vitroで効率よく増殖し、しかもこの組み合わせではLTsの発現が誘導された。細胞表面抗原の観察から、腸管IL-7Rα+細胞がα4β7integrin(α4β7)を発現していることが分かったので、IL-7Rαとα4β7発現を指標に肝臓の血液細胞について調べた。胎生11日目以降の肝臓には、IL-7Rα+細胞群の中にα4β7のものとα4β7 - のものが存在することが確認できた。そこで肝臓のIL-7Rα+細胞をα4β7+ - に分け、in vitroで分化させたところ、どちらからもlin - CD4+IL-7Rα+細胞が分化したが、α4β7 +の方からの比率が高かった。これらの両方からT細胞が、α4β7 - の方からはB細胞も分化し、多分化能を持つことがわかった。そこで実際に、in vitroで増殖させた腸管IL-7Rα+細胞を、あるいは肝臓のlin - IL-7Rα+α4β7+/- 細胞を胎生12日目のIL-7RαKOマウス胎盤に注入移植したところ、後者の移植によってPP原基の形成を誘導することに成功した。


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