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学会見聞録

日本ツメガエル研究集会 (2007/8/7-9)
第一回日本ツメガエル研究集会に参加して

2007.09.05
九州大学・院理・中條信成

 2007年8月7日から8月9日に北海道札幌市定山渓ビューホテルにおいて、第一回日本ツメガエル研究集会が開催されました。ツメガエルを題材と した国際学会としては、2年ごとにInternational Xenopus meetingが開催されており、アフリカツメガエルを用いた様々な分野における研究の発表や、意見交換がなされています。しかし、日本国内においてアフ リカツメガエルを用いて研究を行っている研究室は国内に数多くあるにもかかわらず、お互いの研究発表や交流を図るような場は、これまでありませんでした。 そこで、国内のツメガエルを用いた研究分野をより発展させるために、お互いの研究分野を越えて研究集会を開催しました。この研究集会の企画・開催は、北海 道大学の福井彰雅さんを中心に、全国の若手研究者が行いました。若手の研究者が研究集会の運営の中心になったことは、今後のツメガエル研究の発展にとって 意義深いことだと感じています。私自身は大学院生時の先輩である徳島大学の渡部稔さんからの熱くて強い要請があった上に、形態形成における細胞増殖制御に ついて研究を行っているところでしたので、喜んで参加させていただきました。また研究集会の会場が、暑い九州と違い、涼しい夏の北海道の温泉地というのも 魅力的でした。

  ひとくちにアフリカツメガエルを用いた生物学の研究といいましても、その研究分 野は本当に様々です。私自身はツメガエルを用いて、細胞周期制御についての研究をおこなっています。そのため、同じツメガエルを使っていても形態形成の研 究をされている方とは、これまでほとんど面識がありませんでした。この研究集会で発表された研究分野は、生殖巣の形成、卵成熟、細胞周期、誘導現象、再 生、変態、細胞運動などで、ツメガエルを用いた研究のほとんど全ての分野を網羅していました。学会などでは、これほどの様々な分野の研究について真面目に 聞くことは、これまでまずありませんでした。自分自身の不勉強は棚に上げまして、はたしてこれだけの分野の研究内容についてお互いの議論はかみ合うのかに ついても少し不安に感じておりました。しかし、始まってみますと、研究分野が違っているため、かえってお互いが自分の研究背景について丁寧に説明されてい たので、非常にわかり易かったように感じました。ツメガエル用いて大学院時代から長く研究を行っていますが、この生物材料を使って、こんなに様々な研究が できるということに、私は新鮮に驚きました。とりわけ、ムービーや蛍光写真などで発生現象を視覚的に捉える、いわゆるバイオイメージングについては、見る だけで感動しました。おそらく参加された多くの方が、ツメガエルの実験動物としての有用性を再認識されたのではないでしょうか?近年、脊椎動物の発生生物 学の研究において遺伝学的手法が解析法として使える小型魚類やマウス等が脊椎動物の発生研究に用いられることが増えて、相対的に両生類胚を用いた研究が 減っているように感じます。私自身、ツメガエルの研究をしていても、隣の芝生(他のモデル生物)が青く見えることもしばしばです。しかし、この研究集会に 終えて感じたことは、ツメガエルはまだまだ非常に有効で魅力的な生物材料であるということでした。それは、ツメガエルが長年にわたって研究されてきたモデ ル生物のために、様々な生物現象の局面の記載や実験手法が膨大に存在することを再認識したからです。しかし、それらの蓄積された技術や知見は、このような 機会がなければ得ることは難しいように思います。このツメガエル研究集会は、来年以降も継続的に開催することが、参加者の間で決定されました。今後、日本 のツメガエル研究者の増加と研究のレベルアップが大いに期待できるのではないかと思います。

 学 会会場はきれいな大きいリゾートホテルでした。広々した温泉の大浴場もとてもよかったです。大会のロゴの入ったTシャツのデザインは、カエルが温泉に入っ ている絵がかわいらしくて素敵でした。研究発表が終了した後の宴会は、なんだか学生時代の飲み会のようで、とてもリラックスした雰囲気で楽しみました。お 互いの顔が見えると実験技術を教えてもらったり、場合によっては共同研究もしやすかったりで、何だか今後の研究がスムーズに進む気がします。

 最後になりますが、このような有意義な研究集会を開催するにあたり、協賛をしていただいた企業の方々、そして福井彰雅世話人代表をはじめ、あまり何もしなかった「私以外」の世話人のみなさまに心から感謝いたします。

2007/8/7-9 第一回日本ツメガエル研究集会

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