2007年5月総会、運営委員会報告

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2007年5月総会、運営委員会報告

2007年5月総会、運営委員会報告

ご承知のごとく山村研一先生を大会長として5月28日~30日第40会日本発生生物学会大会が博多で開催され、総会を開きました。しかし総会に参加頂いた会員は限られていますので、少し遅くなりましたが学会の運営についてご報告させて頂きます。

  まず本大会に関連してですが、本大会には発生生物学会として2つのテーマがありました。一つは本大会が実質的には英語化の最初の大会であることです。要旨集、展示ポスター、映写画面はすべて英語表記となり、シンポジウムはすべて英語発表で、EMBO など欧米からの参加者も多く、最初としてはおおいに満足すべきものと思っています。来年野地澄晴先生に大会長をお願いする徳島大会は、 ISDB との合同 Meetingとして全面的な英語化を定着させて頂けるものと期待しています。Asia-Pacific Developmental Biology Network と連携して、アジア地区の研究者の参画を得ることが課題です。英語化にともなう諸課題については 徳島大会を経て 皆様のご意見を伺うことになります。

  第2のテーマは本大会がまた、最初の実質的な細胞生物学会との合同大会であったことです。何よりまず 大会運営員の皆様のご努力に感謝します。一方で、発生生物学と細胞生物学の重なりは今後ますます高まることに疑いはありませんが、他方でquestion を発生に見いだすのか,細胞に見いだすかの立場の違いがあります。今後どのように細胞生物学会との連携を進めるかについては、現在お願いしているアンケートをもとに運営委員会で議論することになります。

 学会の他の運営上の課題についてですが、まずDGDに関連してご報告します。科研費の支援を受けてDGDを Blackwelll 社より刊行して参りましたが、科研費の支援を受けるには毎年度入札を行うことが義務づけられる様になりました。これはDGDのような雑誌では不可能なことで、科研費の支援無しにDGDを刊行する体制への移行が懸案です。幸い仲村春和先生が Blackwell と交渉を重ねてくださり、その目処がつきつつあります。現在の契約は 2009 年までですがこれを早めて、来年 2008 年より新しい契約に移る予定で、変動の時期にあって新たな契約は3年間とする予定です。詳細は仲村先生より別に御報告があると思いますが、冊子体部数を 500部までとすることにしており、冊子体の配布は特に必要とする正会員のみとお願いすることになります。この契約の下で、毎年の予算に若干余裕のある状況となりました。

 そこで運営委員会としては、他の学会に比し高い学生会員費を、現行の8千円から3千円に大幅値下げすることとし、総会で了承を得ました。ただしDGD 冊子体を希望する方は年5千円加えて払って頂かねばならず、その場合は現行と同じ8千円となります(因みに正会員は冊子体を受け取る受け取らないに関わらず従来通り1万円です)。学生会員費の値下げ、DGD刊行への科研費支援の打ち切り、 Blackwelll との新規契約で、2008年からはとんとんの学会財政であろうと見積もっています。

 学生会費の値下げは、お金の余裕ができたからということだけでなく、会員のあり方を巡っての考え方の変更によります。従来の考え方は、正会員も学生会員も等しく会の運営に与かるーしかし学生は給与をもらっていないので少し安くしようーそういう考えでしょうか。しかし 例えば 学生会員が運営委員になっているわけではありませんし、それがいいこととも思えません。学生諸君には自らの将来の方向を見つけるためいろいろな可能性の中の1つとして、他学会とともに本学会も利用してもらい(また利用しやすくし)、そのような立場から意見も出してもらう。その意見もふまえつつ、しかし会の運営は正会員が担う。それが現状でもあり、そういう考え方にそった会費に改めようということです。会長、運営員の投票権など、現状と変えることはありません。

 さて本年は10年目の反省の節目の年です。この10年で発生学は大きく進展し、発生研究をとりまく環境も大きく変わりました。佐藤矩行先生のもと委員会で議論頂き、抽出された各課題についていろいろな方に現在考えを取りまとめて頂いています。これを学会のホームページに掲載し、掲示板を利用して皆様にご議論頂き、学会運営に反映させていくことになります。

 その中で少し先行して検討を進めていることがあります。何よりは学会の法人化問題です。"これからの時代、学会は法人としての存在に変わるべきだ,いや任意団体でいるのが本来的なことだ"という理念的問題から、財政上の判断を巡って、運営委員の間でも意見は様々で、5月の運営委員会で結論は出ませんでした。具体的検討をさらに進めて、来年1月の運営委員会ではどうするか結論を出す予定です。

 また地方での大会開催、研究の場で現にリーデイングである方による大会主催を容易とするため、その時々の大会会長に資金的にも運営的にも大きな負担がかかっている現状を改め、また、必要に応じて運営委員会がその時々の大会企画にも支援を出すなど、大会運営の工夫を徳島大会も視野に上野直人幹事長の下で進めています。新潟大会は全面的にこの態勢のもとで開催出来る様になると思います。

 最後に、本年秋、黒岩厚先生に企画をお願いし基生研の協力を得て、若手PI, 準PIを主たる対象にシンポジウムを開催することとしました。科研費特定の班がなくなるなどして不足気味の、この層の研究者の交流の場を確保したいとの主旨からです。この他、欧米の学会に合同学会開催を求めsenior な研究者を対象に海外での発表の場を確保すること、国際学会への若手参加支援、あるいは、大学院生諸君が口頭発表する機会が減り大会の英語化もある現状の下で、大学院生さらには学生諸君を対象に、(学芸会でない)夏の学校の様なものの開催、学会の存在や活動をアピールするプロモーションなどの提案があります。それぞれに問題点もあり、10年目の反省、NPO 法人化の議論を踏まえつつ、1月の運営委員会の課題としたいと考えております。