2010年1月運営委員会報告

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2010年1月運営委員会報告

2010年1月運営委員会報告

遅くなりましたが 1月23日に 定期運営委員会が開催され 今後の学会運営を含め 諸案件を検討致しましたのでその議論を踏まえご報告致します。

まず何より、学会の活動を桃津さんとともに中心的に担っていただいたく幹事長が 本年1月武田洋幸会員より田村宏治会員に交代したことをご報告致します。この2年間は様々な課題があり、とりわけ昨年末はいわゆる"仕分け作業"をめぐって武田幹事長には中心的にとりまとめの任を担って頂き、この2年間の幹事長としての活動に、学会を代表して篤く感謝申し上げます。物事は流動的で、同時に学会を巡る懸案も多い中で、田村新幹事長には次年の会長交代への引き継ぎを担って頂くことになりますが、過重な負担が生じないことを第一に考えなければなりません。

幸い舟橋淳一会員に副幹事長をお引き受けいただき、ご助力頂くこととなりましたが、会員の皆様のご協力、ご助力宜しくお願い致します。東北は発生生物学会にとって重要な拠点の一つで、1月の運営委員会に際しては東北大学の関連組織と共催でシンポジウムを開催させて頂きました。

学会の中心的活動は申し上げるまでもなく年会ですが、今年度はご承知のごとく上村匡会員を年会長として6月20日〜23日京都国際会館で開催し、来年度(2011)は政井一郎会員を年会長として5月沖縄で、再来年度(2012)は高橋淑子会員を年会長として細胞生物学会との合同年会として開催します。2013 年度の年会については本年の年会に際しての運営委員会で決定する予定です。年会の英語化を基本とする上では、海外とりわけアジア地区からの研究者との連携を如何に発展することが出来るかが懸案です。無論アジアの研究者が日本と全面的に連携する特効薬があるわけではなく、地道に努力を積み重ねる他はありませんが、京都年会はAPDBN (Asian Pacific Developmental Biology Network) との合同年会として開催し、また、沖縄年会でも連携の工夫を検討して頂いております。年会英語化と密接に関連する他の課題は、若手研究者の日本発生生物学会への参画と彼らの育成をどのようにエンカレッジ出来るかです。年会前日のワークショップと夏季シンポジウムを特にその機会としていますが、年会長には若手主催のワークショップのもち方について工夫を考えて頂いております。

我が国で開催する年会とともに、我が国の発生生物学に関連した領域の研究をアッピールするため、欧米各国の年会に合同年会として参画することを計画し、本年は8月5日~9日New Mexico州 Albuquerqueでのアメリカ発生生物学会年会が合同年会として開催されます(近藤寿人会員担当)。我が国から100名以上の参画を期待しており 皆様の活発な参加をお願い致します。また2008年Giens で開催されたフランスとの合同年会の成功に基づき、本年のフランス発生生物学会の年会(5月26日〜5月28日、パリ)も合同年会として開催されることになりました。40名程度の参加を期待しております。2011年は3月23日~26日にドイツ(University of Dresden、担当 阿形清和会員)、2012 年は4月15日~18日にイギリス(ボーリック、担当上野直人会員)と合同年会をもつ計画であることは ご案内している通りです。合同年会の活動にはシップ ダグラス 会員(海外広報担当)の尽力があります。

年会、合同年会以外の活動としては、隔年で若手PI、准PI を対象とした秋期シンポ、若手ポスドク、大学院生を対象とした夏季シンポを企画してまいりました。2007 年に引き続き昨年開催した秋期シンポ(相賀裕美子会員企画)も十二分な意義をもち得たと考え、2011 年には小林悟会員に企画をお願いして第3回の秋期シンポを開催することとしました。また本年は嶋村健児会員企画のもと第二回夏季シンポを2010年8月25日~27日/大学セミナーハウス(八王子市)で開催致します。

これらの学術活動とともに、本学会はこの数年高校教員の研修会を企画して参りました。高校レベルで魅力ある生物の授業の行われることは、将来の世代の育成に必須不可欠なことであり、また、団塊の世代の教員が失われ、ややもすると生の生物に身近でない分子生物学世代の若手教員への世代交代の波のある中で、本学会として出来ることは焼け石に水であろうとはいえ、一石となることを求めて企画しました。幸い神戸CDB (南波直樹会員;2007, 2008, 2009年)、首都大学(福田公子会員;2009年)、岡崎基生研(上野直人会員、2009年)と共催で合計5回の教員研修会を好評のうちに開催することが出来ました。しかし、研修会を開催するための労力は多大なものがあり、学会の実力としては講師派遣に積極的に協力する以上の力は無いのが現実です。八杉、南波会員他研修会にご尽力いただいた方々に篤く御礼申し上げるとともに、動物学会、各教育委員会などとの連携、各大学での試みをふまえ今後のあり方を随時検討すべきと思えます。おりから、高校生物の必須科目からは発生がなくなりました。

昨年度末は最先端研究開発支援プログラムを巡って、トップダウン型研究資金とボトムアップ型研究資金の適正な配分、配分方法を求め学会長声明を出させて頂きました。また、いわゆる仕分け事業を巡って、8学会と合同声明を出し、運営委員会は特に若手研究者、女性研究者、バイオリソース事業に関わって独自の声明を出しました。これらを巡る状況はなお流動的で、今後に引き続く可能性が大いにあります。掲示板でのご指摘にあったよう、全国の大学の運営費交付金を巡る状況は悲惨なものがあります。いうまでもなく我が国の将来には、科学技術研究費・人材育成費の一層の充実は不可避でありますが、より重要なのは充実の仕方の内容と思われます。この時にあたって我田引水としてでなく、学術研究の然るべき全体的充実に、学会としてどう関わるかの見識が我々に求められていると思います。また学会として何をするかの議論もあります。アメリカの多くの学会、日本でも幾つかの応用系学会は、年会の際に若手研究者対象に、企業とのマッチングの機会を企画しており、運営委員のなかからそのような活動の充実の提案もあります。発生関連研究の社会的認知を求める政策決定に文科省、政治家とも関わる活動の充実をとくご意見もあります。高校カリキュラム内容決定の不透明さに対しても学会として見解を適正に表明すべきかもしれません。学会の法人化の道筋は不透明で現在運営委委員会でこれを具体的に議論する流れにはありませんが、いずれ避け難いであろう法人化の背後にこれらの議論は不可避に思えます。わたくしは 発生研究の花園の時代への郷愁を引きずる人間で、ややもすると学会は学術研究の交流の場以上でも以下でもないのがいいとの思考に傾くところがありますが、これは旧い考えで組織としては積極的に別に指向すべきというお考えがあって当然と思います。

本年は次期会長、運営委員の選挙の年です。年会のもち方、合同年会の是非、秋期・夏季シンポの是非、学術活動以外の活動のあり方、学会の指向性を巡って、再吟味いただく時であるように思います。この意味もあって、選挙を少し早め6月の年会までには次期会長、運営委員を決定し、現在の活動をご検討いただく期間をもてるようにしました。掲示板あるいは事務局に、広く諸件に渡って会員の皆様からご意見いただけると有り難く存じます。

相沢慎一