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更新:2010.09.15

日本の発生学を知る写真シリーズ

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八杉グループ

初回を飾るのは、本学会の事務局を 1998 年度から 1999 年度まで務めてくれた都立大の八杉グループの紹介。東大・動物学教室時代から水野・八杉グループは、ニワトリ消化管の分化が間充織との相互作用によって制御されていることを組織培養法を用いて示してきた。最近は、消化管の分化を制御する分子メカニズムの解明を伝家の宝刀の培養法と種々のマーカーを駆使しながらアプローチしている。
(2003/03/27)

2重蛍光in situ hybridization:ニワトリ12日胚前胃
写真は、2重蛍光in situ hybridization:ニワトリ12日胚前胃。赤;Embryonic cnicken pepsinogen (ECPg), 緑;chicken spasmolytic polipeptide (cSP)。

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井出グループ

第2回は、本学会の事務局を 2000 年度から 2001 年度まで務めてくれた東北大の井出グループの紹介です。東北大学・大学院生命科学研究科・井出研究室では、脊椎動物の四肢の発生と再生に関わる現象をさまざまな角度から研究している。指定・決定・分化・誘導や濃度勾配・位置情報・細胞選別など発生学を現象から捉えるキーワードを四肢の発生・再生に当てはめながら、微細操作の玄人集団(自称)として実験形態学と Molecular Biology のはざまで研究を進めている。 (2003/03/27)

FGF10 の強制発現 (RCAS ウイルス) 系を用いて、ニワトリ胚の背中に fgf8 遺伝子の発現を有したAER構造を誘導したもの
図は、FGF10 の強制発現 (RCAS ウイルス) 系を用いて、ニワトリ胚の背中に fgf8 遺伝子の発現を有したAER構造を誘導したもの。このままでは肢にこそならないが、間充織細胞さえ補えば背中に肢を生やすことも可能で、現在、背中の AER 形成能力と四肢/鰭形成領域の多様性との関係についてさまざまな動物種の胚を用いて研究を進めている。
(文責および写真、田村宏治)

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仲村研究室

第3回は、本学会の事務局を 2002 年度から 2003 年度まで務めてくれた東北大の仲村研究室の紹介です。
東北大学大学院・生命科学研究科・仲村研究室では、伝統的なニワトリ胚の顕微操作の技術に加え、当研究室で発生学への応用が可能なことを実証したエレクトロポレーション法、さらには siRNA 発現ベクターを使った loss-of-function 解析などの手法を縦横無尽に用いて、中脳・視蓋の領域特異性獲得の分子機構の解明に挑んでいる。また最近では、内耳の形態形成機構の研究にも手を広げている。
(2004/07/12)

エレクトロポレーションにより Fgf8b を異所的に発現させた結果、視蓋ができるべき場所に小脳が発生した
エレクトロポレーションにより Fgf8b を異所的に発現させた結果、視蓋ができるべき場所に小脳が発生した(矢印)。本来の小脳は cer で示す。写真の右が前側。図中のサイズバーは 0.8 mm。  右下の挿入図:エレクトロポレーションで Otx2 を内耳原基に異所的に発現させたことにより、三半規管のうち、本来は緑の矢じりの位置にあるべき外側半規管が消失した。後半規管(青の矢じり)にも異常が見られる。矢印は a, 前:d, 背側:l, 遠位を示す。 (文責および写真、舟橋 淳一)

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阿形研究室

第4回は、本学会の事務局を 2004 年度から 2005 年度まで務めてくれた京都大の阿形研究室の紹介です。
(2007/07/18)

プラナリア中枢神経系のwhole mount 染色像
プラナリア中枢神経系のwhole mount 染色像(上段が抗プラナリア・シナプトタグミン抗体を用いた免疫組織像、下段が PC2 RNA probe を用いたin situ hybridization)1991年から新設の姫路工業大学で渡辺憲二・阿形清和・織井秀文のスタッフでプラナリアの再生研究を開始し、細胞レベルの解像度をもったwhole mount 染色法の開発が、その後の細胞レベルでのプラナリア研究の進展をもたらした。
(文責と写真 阿形清和 京大・理・生物物理)

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上野研究室

第5回は、本学会の事務局を 2006 年度から 2007 年度まで務めてくれた基礎生物学研究所の上野研究室の紹介です。
(2008/08/05)

アフリカツメガエル神経胚の断面で神経板の両端が隆起し神経管がつくられようとしているところ
基礎生物学研究所・形態形成研究部門、上野研究室では動物の形づくりの基本メカニズムについて研究している。アフリカツメガエルを使った体軸形成の分子メカニズムから、現在は形態形成運動を制御する個々の細胞の振る舞いについて、とくに細胞極性に焦点をあてて研究を進めている。主な研究対象となる発生現象は中胚葉の「収斂と伸長」(convergent extension)と「神経管閉鎖」である。これらの現象はそれぞれ平面細胞極性(planar cell polarity, PCP)、頂底極性(apicobasal polarity)がダイナミックな形態形成運動の基盤となっており、それぞれの極性形成の引き金や、その分子・細胞メカニズムについて研究している。写真はアフリカツメガエル神経胚の断面で神経板の両端が隆起し神経管がつくられようとしているところを示している。最表層の神経上皮細胞は頂底軸にそってカラム状に伸長し、同時にapical constrictionによってくさび形となっていることがわかる。写真の赤色はチューブリン、青色は核、緑色は微小管結合タンパク質を示している。この神経管閉鎖メカニズムを理解するためには、アクチン繊維、微小管の再編成の制御機構を明らかにすることが鍵となっている。
(文責:上野直人、写真:鈴木誠)

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武田研究室

第6回は、本学会の事務局を 2008 年度から 2009 年度まで務めてくれた東京大学の武田研究室の紹介です。
(2010/06/25)

左:ゼブラフィッシュ(熱帯魚)の胚、右:左と同じような胚を蛍光色素で染色し、背側から見たもの
動物のからだは節(ふし)的です。昆虫や環形動物(ミミズなど)ならわかるが、われわれ脊椎動物も?と思うかもしれません。でも、一皮むくと我々のからだも節的です。例えば背骨は椎骨という単位(節)がくり返し、筋肉と神経もこの節構造に従って配置されます。椎骨の原基は動物が発生する際に作られますが、整然としかも正確にできるこの美しい構造は、発生学者を長年魅了し続けます。私もその美しさに魅された一人です。
 この規則正しいパターンを生み出すには、細胞内でヘアリ転写因子の周期的発現振動をコアとする分節時計と細胞間で振動を同調させる仕組みが必要であることが最近わかりました。

図説明
左:ゼブラフィッシュ(熱帯魚)の胚:背側(左側)に節的に見える構造が椎骨の原基右:左と同じような胚を蛍光色素で染色し、背側から見たもの。椎骨は左右一対の原基から作られる。正中の構造は脊索。細胞一つは10ミクロン、胚の直径500ミクロン(0.5mm)
(文責:武田洋幸)

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